台北のお茶屋さん「茗心坊」ミニチュア製作

最近のミニチュア製作

3Dプリンタ

日々マイペースでミニチュア製作に励んでいます。
入門用3Dプリンタで技術を磨き(失敗を重ねまくり(涙))、これは続けられそう!と思って、昨年は光学式3Dプリンタの買い換えました。

SK本舗さんで買ったのですが、水洗いレジンがとても優秀でいつもお世話になっています。
初回ならプリンタ本体でもレジンだけでも1割引になるクーポンを置いておきますので、よろしければご利用ください(^_-)-☆

作っているのは主にミニチュアの食器類ですが、レジンなのでどうしても透け感があり塗装にも工夫が必要なようです。

単に縮尺通りに小さくしても、印刷プロセス上、強度が足りなかったり、印刷時のデータの配置や角度、サポートによって出来上がりが劇的に変わることも理解出来るようになってきました。
また縮尺通りに小さくしたとしても可愛くはならないことに気づき、デフォルメの程度の見極めも重要な気がしています。

ハンドメイド

また、オンラインですが田中智さんのミニチュア講座で蒸籠の作り方を学び、ハンドメイドの奥深さにあらためて感動しました。

講座で開示されている製作方法は、それ自体素晴らしいものでしたが、積み重ねられた工夫から抽出されたものが大きく、そのままでは同じレベルの作品は作り出せませんでした。より良い仕上がりを求めるのであれば、自分の持つ製作技術の改善は必須であり、講座にはない工夫が必要だと痛感しました。

直近のミニチュア作品

まだまだ反省点や改善したいところはいっぱい有るのですが、点心のセットもいちおう形にすることが出来ました(自己採点65点)。
この小さなセットの裏にはビックリするぐらいの試作や失敗の山が隠れています(笑)。

2023年の最初のミニチュア作品

テーマは旅先のお気に入りのお茶屋さん

久しぶりに今年の2月に台湾旅行を計画でき、それに合わせてミニチュアを作ってみることにしました。
題材はいつも台北で立ち寄る、絶品台湾茶のお店「茗心坊」にしました。

とはいえ、店自体のミニチュアはハードルが高い。いつも試飲させていただいているテーブル上のものに絞りました。

製作品検討

必要なミニチュアを抽出します。

  • 茶盤:
    茗心坊さんではよく見かけるような箱形のものではなく、一枚の木の板(とても高価らしい)を使われています。これは再現したいと思いました。
  • 茶器:
    店頭ではいろいろな急須を使われていますが、こちらで購入したものを再現してみることにしました。聞香杯、杯も必要ですね。
  • 茶筒:
    いくつも持っていますが、オリジナルで作られている薄い木の板を曲げて作られた茶筒。これは蒸籠の作り方を応用すればなんとかなりそうです。お店のロゴの焼き印も再現したいと思いました。
  • 茶袋:
    金紙で作られた袋と筆書きの帯が印象的。金紙は金色の折り紙を使い、ラベルは普通のプリンタで再現できそうです。

茶器のミニチュア

同じサイズのものが並ぶだけで可愛い聞香杯、飲むための杯は3Dプリンタを利用しました。回転体なのでデータ作成は比較的簡単です。
急須は点心セットを作ったときに苦労してデータ作りしましたが、その経験を活かして新たに製図しました。

茶筒のミニチュア

茗心坊さんがオリジナルで作られている薄い木の板を曲げて作られた茶筒です。職人さんがキッチリ作られているような印象があります。

ミニチュア蒸籠を作成した要領で製作していきました。
現物の正確な測定と適度なデフォルメを加え、0.1mm単位で図面化しました。

焼き印や金具の表現で相当数の失敗が出ることを想定して多めに筒作りしました。
蓋はあまりシビアな寸法で製作すると開け閉めが大変ですし、破損しやすくなるので、ここも適度にデフォルメしました。
表面のコーティングも検討したかったのですが、今回は省略しました。その結果、拡大すると毛羽立っているのが見えます(見ないで!(笑))。
お店のロゴの焼き印と、留めている金具の表現はかなり苦労しました。

で、ちょっと納得のいかない焼印と金具になってしまった結果がこれ↓

アルプスのMD-5500で水性デカールを作ってみた

昔使っていたアルプスのMD-5500。異音があったりして、動作がかなりあやしくなっていました。

アルプスのMDプリンタの修理といえば、知る人ぞ知る「象のロケット」さん。

白や金の印刷も可能な唯一のプリンタなので、完全復活を願って修理をお願いしました。新規修理はあまり受けていないとのことでしたが、こころよく応じてくださいました。

そのMD-5500が1月後半に修理を終えて完全復活。単色でも素晴らしい色目のオリジナルインクリボンのフルセットやデカール用紙なども購入させていただきました。

とはいえプリンタの解像度には限度があり、印刷対象も木なので、それっぽい印象になるようにデータを作り込みました。

マークソフターやニスなども併用し、なんとか剥がれないように茶筒のミニチュアに馴染ませた結果がコレです↓

まあまあ良い感じには出来たと思います。
留めている釘状の金具はメタリック塗料に接着剤を混ぜたものを点状に塗り、再現しました。大きさを揃えることが出来ていませんが、ここは妥協です(涙)。

茶盤のミニチュア

木の板をベースに木粉粘土をまとわせ、木目を書いて馴染ませました。ここでも何度か作り直しました。単純なものほど奥が深い気がします。
塗装はアクリル絵具です。

茶袋のミニチュア

文房具店をはじめ、ダイソーやSeriaなどをまわり、何種類か金色の折り紙をゲットし、質感や色味を選びました。
現品に近い色というより、最終的に作品に馴染む色を選んでみました。
この袋の構造は単純なので、簡単に縮小図面を作成して折り紙を切り抜き、袋の形状にしたら詰め物をして出来上がりです。
帯は手持ちのものを写真やスキャンしてインクジェットプリンターで縮小印刷しました。
紙は和紙や厚みの異なるコピー用紙を使い、気に入ったものを選びました。

「茗心坊」ミニチュア完成

製作したミニチュアを仮止め接着剤で固定しました。
杯には着色した紫外線硬化レジンでお茶を表現してみました。
最終的にアクリルケースに収めるつもりでしたので、MD-5500を使い茗心坊さんのロゴを光沢のある厚紙にメタリックゴールドで印刷したものを台紙に仕上げました。

2月の台湾旅行で製作したミニチュアを差し上げたところ、とても喜んでいただけました。

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